式典が行われた平和公園では、原子爆弾が炸裂した後の長崎の惨状を撮影した写真が幾つか展示されていた。式典に参加するため平和公園を訪れた人々は、そのあまりにもむごたらしい光景に言葉を失っていた。
原子爆弾とは恐ろしいもので、当然無いにこしたことはないが、近ごろは核兵器についての議論もかつて程タブーではなくなってきた。しかし、議論するにしても、その恐ろしさについてよく知ったうえで議論して欲しいものだと思う。
戦争の悲惨さ、原子爆弾の恐ろしさ、そして平和の尊さを伝えるのが長崎市民の責務であると考える人も少なくない。しかし現在、実際に原子爆弾を体験した被爆者も高齢化が進んでおり、今後はこの原子爆弾の恐ろしさや被爆体験をいかに語り継いでいくかが被爆都市長崎の課題と言われている。
展示されていた写真は長崎に投下された原子爆弾の被害のありのままの姿ではあるけれど、原子爆弾の恐ろしさを充分に伝えきれてないかもしれない。
それは、かろうじて写真に収めることの出来た事実のほんの一部でしかないから。
【平和公園に展示してあった写真の一部】
*各画像についてのコメントは展示のまま
上段
大橋町にあったガスタンクの被害(爆心地から北へ約0.8km)
強烈な爆風によって押しつぶされていた。
中断
山王神社のニの鳥居(爆心地から南東へ約.0.8km)
爆風によって片方の柱が倒壊した。
下段
廃虚の浦上天主堂(爆心地から北東へ約0.5km)
鐘楼ドームは爆風によって吹き飛ばされた。
爆心地付近を走行中だった電車(爆心地から南へ約0.2km)
爆風で吹き飛ばされ、乗客の死体が散らばっていた。
縁側で死んでいる少年
日なたぼっこをしているようだが、すでに息はなかった。
大村海軍病院(現 国立病院)に収容された少女
皮膚はぼろ布のように垂れ下がっていた。
【参考リンク】
■長崎原爆資料館
■長崎原爆死没者追悼平和祈念館
■長崎の原子爆弾被害に関する科学的データ
■Remembering Nagasaki
■A-Bomb WWW Museum
■原子爆弾-Wikipedia
コメント
トータル・フィアーズ
8月9日は長崎に原爆が落ちた日だそうです。
ちょっと話は変わりますが、最近の洋画はどんどん核兵器の扱いがぞんざいになっていると思います。
特に酷かったのが、「トータル・フィアーズ」という映画でした。
以下ネタバレ…