冬は焼きイモの季節。小学生の時分、市場を少し下った十八銀行の前でイモを焼いて売っていた年寄りから買った石焼きイモは一個50円くらいで、とても甘くて美味かった。
学生時代福岡に引っ越し、夜の九時頃コンビニから帰っている途中三号線に繋がる赤間の交差点近くで石焼きイモを売っている軽トラックを発見。気軽に「おじさん石焼きイモ2個ちょうだい」と言うと「はい、毎度、500円ね」などとふっかけられて、たまげた。
上京して会社勤めを始め、残業の帰り、独身寮近くの夜道に「チリン、チリン」と鈴の音が響いて近づいてくる。見るとリヤカーを改造した石焼きイモの屋台をひく爺さん。残業続きで寒い夜道を一人帰る身にとって、ほかほかの焼き芋はとてもとても暖かかった。
下請けの工場に応援に行ったとき、現場の作業員の一人に若い外国人がいた。名前はもう忘れてしまったが町中に響く「い〜しや〜きいも〜、やきたて〜え〜、いしや〜きいも〜お〜」という日本の冬の風物詩を聞いて「なんで、あんな歌、歌うの?おかしいよ!いしやきいも、おかしいよ」とゲラゲラ笑っていた。オレにはどこがそんなにおかしいのかサッパリ分からなかった。
と、まあ、焼き芋についてはいろいろと思い出してしながらイモをストーブの上でアルミホイルに包んで焼いて、アツアツのうちにバターをのせていただいた。イモは時間をかけてじっくり熱を通さないと甘くならないそうな。「電子レンジで10分」じゃあちっとも甘くならないので注意!
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