2013年長崎くんち、船大工町の川船の動画をYouTubeゲーム貴族チャンネルにアップしました。
船大工町と言えば上棟式を模した輪のない傘鉾が有名、当日は風が強かったので背が高く扇などの風を受けやすいデザインのこの傘鉾が、倒れはしないかとヒヤヒヤしましたが軸のぶれない激しい舞を踊馬場で披露しました。
川船は船頭さんによる網打ちが披露されました。緊張感あふれる網打ちでしたが見事一網打尽!そして軽快で激しい船回しに何度も何度ももってこ〜い、よいや〜の声がかかり長坂は大いに盛り上がりました。
一回目の網打ちで失敗したときに「波!はよう入れろ!!」「台風で時化とっけんしょんなか!(台風が来て時化で荒れているから魚が捕れないのも仕方がない)」と野次が飛び根曳が慌てて魚を網に入れてやるシーンが微笑ましい。
川船の船を曳く大人たちは根曳衆と呼ばれ、川船はその波に荒々しく翻弄されながら進むという設定です、そう根曳達は波なのです。だから根曳衆の衣裳は波があしらってあります。この網打ちでは網がうまく広がらずに魚を逃しそうになったけど波がたまたま魚を網に押し込んだと、そう解釈するのです。二回目ばっちり網打ちを決めた船頭さんが*ずっきゃんきゃん(肩車)されて退場するときのガッツポーズと緊張のとれた笑顔が良いですね!
この船大工町の船廻し、廻すときに采振りの采の動きに合わせて若干外側に頭を振りながら進んで旋回気味に回転するので大きめの半径で廻ります。そのため非常に勢いがあり、長坂も割れんばかりの「ヨヤセッ!」の掛け声で大いに盛り上がりました。
*ずっきゃんきゃん
長崎の方言で肩車の意。長崎くんちの演し物でかつて勝山町の大薩摩等の山と呼ばれる高さ三メートルにも及ぶ中国や阿蘭陀のオブジェを担いで練り歩く通り物があり(参考 長崎県物産館 秘蔵!長崎くんち絵巻【e-ながさきどっとこむ】http://www.e-nagasaki.com/shops/books/00051102/)、そのBGMが「ずっきゃんきゃん♪」という鉦の音であった。そこから長崎の人たちは肩車を大薩摩に見立ててその囃子の音色「ずっきゃんきゃん」と呼ぶようになった。とかいうようなことをどっかで聞いた。
船大工町の傘鉾は大工にちなんで棟上げがテーマで輪が無く長崎くんちの傘鉾の中では珍しいスタイルです。輪を無くして飾り部分を屋根に見立てて上棟式を演出する発想の自由さ!また飾部分には諏訪住吉森崎の長崎の諏訪神社に祀られている神々の紋章がさりげなく意匠されています。なんて良く出来た傘鉾なんでしょうか!!
この背の高い傘鉾が回り垂が広がるととても迫力があります。この動画でもあまりの勢いの良さに会場もヨイヤーと賞賛の声が上がり盛り上がりを見せています。
長崎くんち 本石灰町と船大工町の小屋入り、打込み 2013
■参考動画
アーケードを練り歩く船大工町の傘鉾
傘鉾の輪舞曲(長崎くんち傘鉾動画集)
川船セット(川船動画再生リスト)
前回2006年の船大工町の川船の動画
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