ナムコから発売されたファミリースタジアム(ファミスタ)はデーターとアクションがうまく混ざり合った非常に革命的な野球ゲームでした。ファミスタは現実のプロ野球選手のデーターを反映させていたので、さほどプロ野球に関心を持っていなかった私でさえも「明日の先発は中山かな」などと友人達と会話できるようなにわか野球ファンへと育て上げてくれました。このファミスタのヒットでゲーム業界は「そうか、スポーツゲームってまだまだ伸びしろがあったんだな!」とこぞって注目し始めたのです!そこで二匹目のドジョウを狙って真っ先に飛び込んだのが、業界トップクラスのアレなメーカーとしてその名も轟くジャレコであったことは皆様御存知のとおりです。
このゲームについてのアレコレはあまりにも有名すぎるのでゲーム貴族の皆様方の前では多くを語る必要も無いでしょう。
「いやあ、ジャレコにはホントやられたよね」なんて性悪女に引っ掛かった思い出を語るがごとく、私たちもジャレコに対して懐かしい気持ちで思い出すことができるくらいになりました。そしてまた、私たちが少年から中年へという人生を歩いているうちに、ジャレコは買われたり売られたりITに踊ったり海の家を経営したりアクアリウム用品やビールサーバーを作ったりと辛い道を歩んでいたのです。
そんな辛い人生を歩むうちに、彼女はすっかり変わってしまいました。テキトーに外注に作らせたような無責任なゲームも、マニアックすぎる自社開発のシューティングゲームも、コナミと戦ったVJやステッピングステージや早押しクイズも、一部で大好評だった脱衣麻雀も、バトルロイヤルが混沌すぎるラッシングビートも、画面を見てないほうがやりやすいキャプテンフラッグも、ざっくり遊べた首都高レッドゾーンも、幾多のプレイヤーの腕をへし折ったアームチャンプも、スカッとしないスカッドハンマーも、勝手に作ってシリーズ化したじゃじゃ○も全ては二度と戻らない懐かしい思い出なのです。
このCMの少年のごとく、過ぎ去りし日々を振り返り、二度と戻れないあの頃を思って父のごとく涙せよ。
業界随一の愛すべき海賊メーカーよいざさらば。
・バントでホームラン
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