ニンテンドーDSのタッチスクリーンという新しいインターフェースのゲーム機が登場しましたが、昔のアーケードゲームもしばしば特殊なコンパネのゲームが登場して私たちをワクワクさせたモノです。特殊なコンパネのゲームを思い出してみると、「怒」、「ワールドカップ」、「サイバリオン」、「ロストワールド」、「アサルト」と名作ばかりですね。あっ「スト2」もそうでしたね。「スト2」なんか「6個もボタンつけてナニ考えてンだッ!」って思ったモンですよ。
特殊なコンパネのゲームを商品化することはメーカーにとってリスクが伴います。市場のコンパネは当時1スティック2ボタンが基本。そのため「プレイヤーがとっつきにくい」と思われてしまう。そして、特殊な操作系ということは、ゲームセンターに既に存在するコンパネを交換しなければならないのです。コンパネの分だけコストアップなのです。コンパネの分だけ高いけど、それだけのインカム、売り上げがあるの?というのがメーカーの営業、そしてオペレーターの疑問となります。また導入も手間がかかります。コンパネを交換する作業ができるオペレーターと出来ないオペレーターが市場にはいるのです。ハーネスの差し違いが無いように配慮した設計、取り説の作成をしなければならないし、それらがサポートできるように営業やサービス部門も準備しておかないといけない。勿論故障の対応もしなければならない、いつもは在庫にしていないような部品を故障対応のため、そのゲームのためだけに在庫を持たなければならなくなるのです。そして売れ残ったらユニークな操作系故そのままでは他に流用が利かないというのも問題。
特殊なコンパネのゲームはそんなリスク、周囲の心配をはねのけて商品化することに成功した作品というわけです。だから記憶に残る名作が多いのかも。そしてそんな特殊なコンパネのゲームとして記憶に残ってるのが「SDI」。
「SDI」と聞けば、多くのレゲーマーのオジサンたちは眉間に皺を寄せ、「アレか、トラックボールとスティックのついた難しいヤツか!」というような多少敗北の響きを含んだ言葉を吐いた後、「SEGAはなんであんな特殊な操作系の〜」と昔話を始めるに違いありません。「SDI」は照準と自機、両方の動きを把握しトラックボールとボタン付きのスティックで、これらを同時に自在に操作できなければクリアは覚束ないというモノでした。人間にとって二つのものを目で追うのは難しいでしょう?おまけにそれらを右手と左手で同時に別々に動かすなんてとてもとても・・・。発表された当時、極めて難易度の高い本作に多くのゲーマーたちがジョイスティックを投げたのです。勿論ワタシも。
そして、あれは何年前だったでしょうか?渋谷洋一氏の「ゲーム博物館」に行ったときのこと、そこに「SDI」が置いてありプレイヤーも着いてました。「流石は『ゲーム博物館』、『SDI』も置いてあるし、ちゃんとプレイヤーも着いてる。」とちょっと感動したのです。そしてそのプレイを何気なく眺めていると「何か変だな?」と思いはじめたのです。そのプレイヤーの方、ちっともミサイルを逃さないのです。いや、ちっともではなく、一つも逃さないのです。正確にミサイルをトレースする照準。あまりにも普通に、あまりにも淡々と画面内の敵を消してゆくその様子に最初は「あれ?このゲーム、こんなに簡単だったっけ?」と思いましたが、ずっと見ているうちに分かりました。
完璧なプレイというのは、無駄な動きがないから派手に見えないんだ!
そして、しばらくその淡々とした完璧なプレイに目が釘付けになっておりましたが、そのプレイヤーの方、突然コンパネから手を離し、屈んで何故かその筐体の電源を落としてしまいました。
「何故?どうしていきなり電源を落としたんだ?」そのプレイヤーの方の不可解な行動、同行した友人によれば「ミスした」らしい。ミス?どこが?勿論べつに自機がやられたわけではなかったのです。ワタシには何処がミスだったのかゼンゼン分かりませんでした。
この完璧を目指す求道者のごときスーパープレイヤーこそY’-GTO氏、おそらく宇宙で最高の「SDI」プレイヤーその人であったのです。
そんなY’-GTO氏のスーパープレイが納められたのが、レジェンド オブ ゲームミュージック ~プレミアムボックス~。
レジェンド オブ ゲームミュージック ~プレミアムボックス~についてはレゲーマーの皆さん既によくご存じでしょうし、既に購入済みの方も沢山いらっしゃるでしょうから今更細かい説明は必要ないでしょう、一応サイトロンのサイトもリンクしておきますが。
ワタシ、ASOのテーマなんか好きです。
あと、「ゲームミュージッククロニクル」という付録の冊子も良かったです。特にクリエーター達のインタビュー、あの沢山の制約と怒濤のごときハードの進化、毎日が工夫と挑戦の連続であったというあの熱い時代の思い出が語られており少しばかりジンときました。
レジェンド オブ ゲームミュージック ~プレミアムボックス~

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