長崎県のお隣には「はなわ」の歌で一躍有名になった佐賀県がある。しかし、はなわの唄う歌詞に出てくるような地方都市は日本中アチコチにあるので、そんなに大騒ぎするようなモノでもないと思う。とはいえ、有田、嬉野、吉野ヶ里、呼子などちょっと覗いてみたいモノはあるんだけれども、若干地味なところであるという印象は否めず、生まれてから高校生までは長崎、大学は福岡と佐賀県のお隣に住み続けていたにもかかわらず、オレにとって佐賀県は帰省するために通り過ぎるだけの土地だった。
が、今回佐賀市で、「佐賀城下ひなまつり」なるイベントが開かれていると知り、行ってみることにしたのであった!
佐賀と言えば鍋島家。九州を代表する大名家の一つで、龍造寺、大友、黒田、島津などとともにコーエーの「信長の野望」にも登場、その微妙な国力が評判。また佐賀藩に仕えた山本常朝というお侍さんが出家後後輩田代陣基に語った言葉を陣基が書き留めた武士道書が「葉隠」。全11巻、1343項目にわたって鍋島侍の知恵や処世訓とかが記されているという。あと、鍋島と言えば化猫騒動。
化猫の話はおくとして、佐賀市はかように城下町であるので旧家の雛人形があるし、重要文化財に指定されるような古いお屋敷もあり。この雛祭りは徴古館、佐賀市歴史民俗館(旧古賀銀行、旧古賀家、などの古い建物)、恵比須ギャラリーなどを使って雛人形が沢山飾られるという実に風雅な催し。埋めたり掘ったり壊したり復元したりと迷走する観光都市長崎にはなかなかできない催し物。
というわけで、今回は「「佐賀城下ひなまつり」をご紹介。

小城鍋島家伝来の古今雛、気品あふれる切れ長の目、細工を尽くした宝冠、手の込んだ刺繍がなされた豪華な衣装、流石は大名家のお雛様堂々たる風格。旦那の方もかなり凝った作り。
雛人形が展示してある会場は幾つかに別れている。その一つである旧古賀銀行内は大正ロマン風カフェになっており、そこに古い雛人形がたくさん飾ってあった。目玉は上の画像の小城鍋島家伝来の古今雛。古今雛とは江戸時代安永の頃に現れた雛人形。金糸などを使ったあでやかな衣装と写実的な顔の表現が特徴で、現在の雛人形の源流となるスタイルを確立したそうな。

階段状の壇にお雛様や三人官女、五人囃子などを飾るのが一般的だけど御殿のようなお屋敷に雛人形のメーンキャストを並べるようなスタイルもあり、これを「御殿飾り」と言うそうな。御殿の細かい細工など階段状の雛人形を見慣れた目にはとても新鮮に映る。この御殿飾り、御殿の外に掃除をする下男(?)や犬を連れた女官(なぜかビックリ顔)なども飾られておりユーモラス。そのほか内裏雛が立っているモノも展示してあった。

この旧古賀銀行でもっとも気に入った高橋家所蔵の古今雛のお雛様。きらびやかな宝冠、ピンクの衣装、そして大きな瞳と少し開いた口元が作り出す笑顔がかわいい。

二階には「流し雛の風景」あり。流し雛のワンシーンを和紙で作った人形で再現した大きなジオラマ。流し雛をしている周辺ではカゴメカゴメや鞠つきで遊ぶ人形などが沢山。カラフルな和紙による精緻な細工、顔もない人形達だがその多彩な動作は実に表情豊か。来場者にカワイイカワイイと大評判であった。
さて、アクセスについて、この「佐賀城下ひなまつり」の会場は少し駅から離れているので佐賀駅からは路線バスを使って会場近く「呉服元町」あたりまで行くのが良い。土日にはノスタルジックな周遊バスも出ているとのこと。佐賀駅近くにバスセンターがあるのでその窓口で訊くと親切に教えてくれた。複数の会場に別れているが、それぞれが歩いていける範囲内にあるので行きと帰りだけバスを使った方が良いだろう。
またJRで佐賀駅まで切符を買うと「佐賀城下ひなまつりチケット」という佐賀市の市営バス一日フリーの乗車券とひなまつり会場共通入場券のセットを運賃プラス600円で購入できるとのこと。
会場近くの呉服元町までが片道150円、ひなまつり会場の共通入場券が400円、「佐賀城下ひなまつりチケット」を買ったほうが若干安いので利用しても良いだろう。
【参考リンク】
佐賀市のホームページ(「佐賀城下ひなまつり」の情報あり)
徴古館のホームページ(「佐賀城下ひなまつり」会場の一つ)



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